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酸いも甘いも引っさげて、合言葉は「BACK IN THE DAYS」

 

 
いいとも〜!

 

 

と、いうことで開口一番、あのお昼の国民的番組(最終回、私は何度も涙しました。あんなに泣くと思わなかった。)の名フレーズから入って初めて読む方はなんのこっちゃねんな心持ちでしょうが、このコーナーは2F TOWER BOOKSスタッフが毎回1つのテーマ(お題)に沿っておすすめの1冊をリレー形式で紹介する「コレ本ショッキング」でございます。前回担当した武藤さんより「担当してくれるかな〜?」と私宛てにバトンがまわってきたので「〜してくれるかな〜?」ときたら「いいともー!」と答えるのが我々日本人、否、地球人共通のお約束ゆえ、冒頭のBOMBに至った次第でございます。

 

申し遅れましたが私、TOWER BOOKSにて7年ほど勤務しておりますスタッフの沖と申します。どうぞよろしくお願い致します。

 

 

さて、今回のテーマが「スタート」ということで、まあいろんなスタート(初めて)があるかと思いますが、私は先日ヒザを骨折しまして、骨折自体が初めての経験でしたので何かと色々難儀をしましたね。ええ。そんなことはどうでもよいのですが、スタートですね、スタートスタート…

 

 

これまた唐突で申し訳ないのですが、私はHIPHOPが好きでして、小学生ぐらいからスチャダラパーなどはなんとなく耳にしていましたが、高校生の頃に出たブッダブランドのベストアルバム『病める無限のブッダの世界』を皮切りに本格的にHIPHOP の世界にハマり出したわけでございます。(スチャダラパーも大好きです。)その後、当時の国内、海外の現行のHIPHOPを聴きつつ90年代を遡ったりもしながら平凡な学生生活を過ごしておりました。

 

 

時は経ち、23歳ぐらいの時に友人と互いにブレイクダンスっぽいポーズをとり、写真に収める前衛(遊び)クルー「フレッシュ・フォト・ブレイカーズ」なるものを年甲斐も無く組もうということになり、その際に参照したのが当時一部で話題になっていたDVD「グラフィティ・ロック」です。

 

 

 

1_コレ本ショッキング

 

 

 

(『グラフィティ・ロック』DVD)

 

 

この作品は80年代初頭にアメリカで放送されたマイケル・ホルマンによる伝説のヒップホップ番組で、RUN-D.M.C.やKool Moe Deeなどのライブの他、New York City Breakersのパフォーマンスなどを収録した激FRESHな内容(余談ですがあのヴィンセント•ギャロもプリンス•ヴィンスというイナタい名前で出演しております。)なのですが、その鮮烈なるビジュアルショック、抑えきれない初期衝動っぷりに衝撃を受けた私は当時バイトをしていた中古レコード屋の同僚であり某アーティストの先輩Mさんに、劇中で流れて妙にひっかかった、荒削りでイナタい808サウンドをどこか切ない響きで料理した楽曲が何という曲なのかをたずねたところ、Planet Patrolの「Play at your own risk」という曲であることが判明、あんなチープな曲に反応を示した奇特な後輩にMさんはHIPHOP GODアフリカ•バンバータのサイン入りレコードを含む、オールドスクール・エレクトロ、オールドスクール・ヒップホップの名盤の数々を貸して下さったのです。

 

 

 

 

2_コレ本ショッキング

 

 

 

(Planet Patrol『Planet Patrol』LP。ジャケの意味がわからなさすぎて最高。)

 

 

それで完全にオールドスクール熱がシュッポッポしちゃった私は当然その独特のファッションにも興味を持ち始め、すぐに一冊の本に出会います。
それがJamel Shabazz撮影による名作写真集「BACK IN THE DAYS」です。それまでアーティスト達が着飾ったオールドスクールファッションは目にしていましたが、リアルストリートなオールドスクールファッションを初めて理解出来たのはこの本のおかげでしょう。私にとって意識して洋書に触れるきっかけにもなった原点とも言える、個人的エポックな一冊です。

 

 

3_コレ本ショッキング

 

 

 

(Jamel Shabazz『BACK IN THE DAYS』)

 

 

見て下さいこの表紙!あまちゃんの太巻よろしく、トレインスポッティングより先に両手をワキにはさんだポージング!ここはゼログラビティかと見まごうほど頭にちょこんと乗せられた帽子!きしめんばりのファットなシューレースを通したスニーカー!自己主張の印籠がわりのデカバックル!そしてこのサイジングの妙!そしてそしてなんと言っても1ミリの曇りも無い100%ピュア・ドヤ顔!「デデーン!」という効果音が聞こえてきそうなまさにFRESHとしか言いようのないこの表紙を見せられた日にゃあ出勤時の上司への挨拶も思わずラジカセ抱えながら「YO!What’s up?」なんて言ってしまいそうなもんです。

 

 

wikiwikiな気持ちでページをめくれば思い思いのオシャレを楽しみ、ストリートに集まる80年代当時の若者達の姿がワンサカWANKSTA!足元はやはりadidas、PUMAがダントツ多いですね。被り物はキャップよりもキャスケットやハンチングなどが多く、KANGOLのバミューダハットもちらほら。そしてアイウェアを着けている人はほとんどがCAZAL!あと、アウターは寒いニューヨークの土地柄かレザーのダウンやレザージャケット(ほとんどがムートンのファー襟)が多く、前述のアイテム同様にこれひとつ着るだけでオールドスクール感がグッと増します。その他、ジーンズはLevi’sじゃなくてLeeなんだな〜とか、細かく見てるとほんと飽きません!そしてやはり何よりも素晴らしいのが先にも述べました人々の顔、ポージング!俺、私のスタイルがNo.1だろ?と言わんばかりの自信溢れるその姿には当時のイキイキとした若者の「ノリ」がまるで音楽を聴いているかのようにビシビシ伝わってくるのです。ここで私はHIPHOP における重要な要素「FRESH」という感覚を再認識したわけであります。

 

 

本書の素晴らしい点は、リアルなストリートのオールドスクール・ファッションの楽しさを教えてくれるのはもとより、古き良き時代の断片を振り返ることで逆説的に現代社会を見つめ直すきっかけを暗にメッセージとして忍ばせている点でしょう。それは続編となる写真集『A TIME BEFORE CRACK』のタイトルがシニカルに表しています。本書はスタイルブックであると同時に優秀な時代のポートレイトであるのです。HIPHOP に興味が無い方、HIPHOP がただガラの悪くてコワイもの(そういう良さもありますw)と思っている方にもHIPHOPというカルチャーを知っていただくきっかけとして是非見ていただきたい一冊です。

 

 

4_コレ本ショッキング

 

 

(Jamel Shabazz『BACK IN THE DAYS REMIX:10th Anniversary Edition』現在はこちらの10周年記念増補版がリリースされています。)

 

 

 

さて、長々とお付き合いいただきありがとうございました。次にバトンを渡すのはTOWER BOOKSの最年少、江川さんです!それでは担当してくれるかなー?

 

 

次回もよろしくお願いします〜

 

 

 

 

 

 

ライター / 沖真秀

【担当フロア】:2F TOWER BOOKS 「RELAX」
【担当ジャンル】:書籍/雑誌全般、洋書MUSIC, POP CULTURE, ART, DESIGN, FASHION, FILM, GRAPHIC NOVELS
【得意ジャンル】:MUSIC, POP CULTURE, ART
【血液型】:A
【出身地】:奈良県
写経をやろうかと思っています。