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連載:渋谷店クラシック・コーナー「今月のオススメ」 (記事数 / 22)

鬼才アファナシエフ、ブラームスに回帰。

 

 

 

文学者や哲学者の顔も持つカリスマ・ピアニスト、ヴァレリー・アファナシエフ。

 

とにかく遅く、とにかく暗い演奏スタイル。

深い思索、不穏な暗示。

ちょっとファースト・チョイスにはオススメできないタイプ。

 

という難しいイメージがあるが、実際は幅広く人気を獲得している、非常にユニークなアーティストだ。

 

92年録音の『ブラームス:後期ピアノ作品集』はレコード・アカデミー賞に輝いた名盤。

93年録音の『ブラームス:ピアノ作品集II』と共に、今もなおロングセラーを続けている。

 

 

 

旧録

 

 

 

近年では定期的に来日公演を行い、ライヴ録音も発売されている。 ファンには嬉しい限りだ。

 

今回ご紹介するのは、2013年来日ライヴのCD。

 

 

 

メイン

Valery Afanassiev/ブラームス: 後期ピアノ作品集 WAKA-4177

 

 

 

 

そう、今回のアルバムは前述したブラームス後期作品の、20年ぶりの再録音なのだ!

この聴き比べはたまらない。

 

まず感じるのは、旧盤が人を寄せ付けない、一切の虚飾を廃した音作りだったのに対して、新盤が聴き手の内部に入り込み音楽を共鳴させるような、広い空間性を伴っているところだ。

 

もちろん録音方法の違いもあろうが、アファナシエフの「深化」によるものとした方が俄然興味深い。

 

響きはよりダイナミックに、生々しくなっている。

今にも崩れ落ちそうに爛熟した和音が音楽を形成している。

 

ブラームス晩年の枯淡の境地を、「遠景」で表現するのではなく、「眼前」に迫り来るものとしてリアルに描いており、言ってしまえばスリル感すらある。

 

テンポは多少速くなったが、ときに断崖絶壁のような休符があったりして、相変わらずの暗さと共に、心臓に良いとは言えない。

 

しかしこの凄味、聴き込まずにはいられない…!

用法・容量に注意してお楽しみください。

 

 

 

新録音

 

 

 

関連リンク:http://www.waka-kb.com/cd/2693

 

 

 

 

ライター / 松浦一生

【担当フロア】7F "HOME" CLASSICAL
【担当ジャンル】CLASSICAL
【血液型】O型
【出身地】神奈川県
アファナシエフ来日ライヴのCDでは、ベートーヴェンの最後の3つのソナタも好き。

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