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渋谷店バイヤーセレクト「タワレコ渋谷店的年代別ROCK&SOUL名盤」 (記事数 / 11)

〈渋谷店バイヤー〉私の「2010年代ROCK名盤」
  • 2020年07月04日

〈渋谷店バイヤー〉私の「2010年代ROCK名盤」

 

iTunesから始まってSpotifyやSoundCloudなどのネット上の音楽サービスが急速に普及した10年代。POPアーティストとHIPHOPやEDM等の楽曲がチャートを支配し、ロック不調の時代なんて声も聞いたことも…しかし枠にこだわらない自由なロックアーティスト達が多く誕生し、個人的にはどんなスタイルのアーティストの楽曲でもちょっと探せば名曲に出会える最高の時代だったと思えます。ここに挙げられなかった素晴らしいアルバムも数多くありましたが、出来るだけ近いスタイルの音楽が偏らない感じで自分なりにまんべんなく選盤してみましたので是非チェックしてみて下さい。

 

Selected by

 

渋谷店/鷺坂慎二
HR/HMからジャズ・カントリー・EDMまで好む雑食。 YOUTUBE等で再生回数の高い曲があれば見境無しに飛び込むのが今の趣味です。

 

 

 

■Gary Clark Jr.『ディス・ランド(金曜販売開始商品)』

 

米国テキサス州出身のブルース・ギタリスト/シンガー。ブルースを基本とし、ファンク・ソウル・HIPHOPのようなブラックミュージック的な音楽性も併せ持つ彼だが、その風貌や演奏スタイルからもジミヘンやスティーヴィー・レイ・ヴォーンなどギターレジェンド達を思い出させ、ライブでの演奏もまさにロックの魂をも感じさせる素晴らしいものだ。10年代後半には映画に楽曲が使用されるなどブルース好き以外にも徐々に存在を知られるようになりこの作品ではグラミー賞も獲得した。年代を代表するギタリストの名盤。

 

 

 

 

■Greta Van Fleet『アンセム・オブ・ザ・ピースフル・アーミー(金曜販売開始商品/+4)』

 

グラミー賞最優秀新人賞にもノミネートの快挙も成し遂げたロックバンドのデビューアルバム。いつの時代にもロックレジェンド達を匂わせるバンドたちは数多く存在するがこのバンドはそれはずば抜けたものだった。アルバム発表前に発売されたEPでのツェッペリンを思わせるようなブルージーな歌声と演奏は世界に強烈なインパクトを残した。アルバムではさらに磨きがかかり、決して真似ではなくメンバーそれぞれが持つスタイルから自然となったというように、デビューアルバムながらも確かな音楽性を感じさせてきた名盤。

 

 

 

 

■David Bowie『★(金曜販売開始商品/Blu-spec CD2)』

 

惜しくも最後のスタジオアルバムとなったデヴィッド・ボウイの28作目。ジャズアーティストを迎えての楽曲はサックスソロやリズム隊の演奏などジャズ的なテクはあるがロックに演奏され(特にM4なんか分かり易く)そしてそれがどれもボウイらしいと思える見事な仕上がりになっている。個人的にですが7曲目「I Can’t Give Everything Away」の後半でそれまでソロパートはサックスメインだったものがギターに変わりギターソロとシンセの響きでいかにもロックらしいラストを迎えるのは印象的でした。最後まで変化を続けた今作は彼を語る上で外すことの出来ない名盤となったことでしょう。

 

 

 

 

■Tame Impala『Currents』

 

作詞作曲から様々な楽器の演奏までも一人でこなせるマルチな才人、ケヴィン・パーカー率いるオーストラリアのサイケデリックロックバンド。これまではあえて大衆的な音を避けていたようなサイケデリックロックを前面に出していたが、今作からはギターを抑えシンセサウンドを前面に出したエレクトロ・ディスコ系の現代的な要素を見事に融合させている。収録曲の中でも人気も高い「The Less I Know The Better」などは(歌詞やMVなどは中々に過激ではあるが)極彩色の世界をよりポップに、美しくメロウに仕上げたTameImparaを象徴するような名曲に思える。これ以降の彼らは数多くの大型フェスでヘッドライナーを務めることが当たり前にもなっており、世界的な人気も決定づけた名盤と言えるでしょう。

 

 

 

 

■Alabama Shakes『Sound & Color(UK)』

 

女性ヴォーカルのブリタニー・ハワードを中心にアラバマ州アセンズ出身の4人組で結成されたバンドの2ndアルバム。タイトル曲の「Sound&Color」から魅せる深みのある表現力豊かな歌声、そして続く「Don’t Wanna Fight」の一粒一粒に魂を感じるギターの音色と力強い歌声に一気に心を奪われた。ソウル・ブルース・ロックを基調にカントリー・アメリカーナなどのルーツミュージックを取り込んだ古き良きアメリカ的なサウンドをしながらも、多彩な表現と突然響くパンクロックやサイケデリックなギターサウンドからも全く現代的な仕上がりとなっている。モダンロックの最高峰とも思える名作。同アルバムは58回グラミー賞で最優秀オルタナティブ・ミュージック・アルバムなどを獲得している。

 

 

 

 

■The 1975『The 1975(INTL)』

 

80sを思わせるポップな音楽を奏でながらも、とてもメッセージ性の強い曲を出し続ける英・マンチェスター出身のロック・バンド。デビューアルバムにも収録されている「Chocolate」の大ヒットから彼らは瞬く間にトップアーティストの仲間入りをする。何より惹きつけられるボーカルのマシュー・ヒーリーのカリスマ性も魅力のひとつで10年代最も影響力を持ったロックスターの1人であっただろう。哀愁を感じさせたり、何かを訴えかけるような歌声には一瞬にして心を奪われる。それを彩るハイセンスなサウンドも完璧だ。正直言って彼らの作品はどれも素晴らしいので、まずはその始まりからオススメしたい。

 

 

 

 

■Imagine Dragons『ナイト・ヴィジョンズ(+1)』

 

00年代の終わりに誕生し、12年のデビューアルバムから常に音楽シーンの最前線に立ち続けるモンスターロックバンド。デビュー以後のヒット曲やコラボ作品からも見えるように、10年代の支配したであろうHIPHOPEDM要素を上手く取り入れるなど商業的にも大成功した。こうした音楽シーンに合致したアーティストはどうにも批判を受けやすいものではあるが、このデビューアルバムで多く見られるインディフォーク的な音楽もベースにあり、むしろこの時代だからこそ誕生したロックの形でもあり10年代のロックを語る上で絶対に外すことは出来ない名盤だと思っています。

 

 

 

 

■Vampire Weekend『Modern Vampires Of The City(UK)』

 

NYブルックリン出身の4人組ロック・バンドの3作目。初めての外部プロデューサーとしてアッシャー等の作品を手掛けてきたアリエル・レヒトシェイドを迎え入れた同作。これまでのアフロポップ等ワールドミュージック的な要素を含んだとりわけポップな印象を強く残してきたこれまでとはガラッと変わり、ジャケットに映し出される靄のかかった都会のモノクロな空気感とバンド史上最もダークな雰囲気に衝撃を受け、同時に美しい楽曲の数々に圧倒された。そして突然盛り上がる「DIANE YOUNG」のようなロックナンバーも奇妙な選曲でありながらも強烈な印象を残してくるのが彼ららしいとも言えるのか。全米チャート初登場1位・第56回グラミー賞獲得などの記録を残した今作は10年代USロックシーンを代表するバンドであることを確定づけた傑作です。

 

 

 

 

■The Black Keys『エル・カミーノ』

 

パトリック・カーニー(ds)とダン・オーバック(vog)2人組によるロック・バンド。少し地味な親父二人から奏でられるガレージ・ブルースを基調にしたどストレートなロックンロールはマジで渋くてカッコいい。彼らはこの前作にあたる2010年発売「Brother」から大ヒットし、2作続けてグラミー賞を獲得するなど評価を受けることとなったが、この「El Camino」はすでに7作目と少し遅咲きのバンドでもあった。しかしその期間があったからこそのいい意味でくたびれた大人臭さと、何より真正面からロックにぶつかり成熟された音がここで完成されたようにも感じる。ジャケットにも映る古い車に乾いた空気感もまさにそのままに10年代で最も純粋なロックンロールが聴ける名作。

 

 

 

 

■Bon Iver『ボン・イヴェール』

 

シンガー・ソングライター、ジャスティン・ヴァーノンを中心としたフォークバンド、ボン・イヴェール。彼らはその活動開始から10年代の終わりまでに4枚のアルバムを出しており、それらはそれぞれ冬・春・夏・秋をテーマにしているという。こちらはその中で春にあたる2作目。1作目のインディフォークらしいシンプルなアコースティックサウンドからホーンやシンセなどの電子的なサウンドが加えられている。前作よりも圧倒的に音の層を増しながらも綿密に折り重ねられたサウンドは、春の息吹を確かに感じさせるように少しの土臭さを残しながらも、光が差し込んでいるように神秘的で美しい音の広がりを聴かせてくれるまさに奇跡のような1枚。このアルバムは2012年にグラミー賞最優秀新人賞を受賞した。

 

 

 

 

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ライター / 鷺坂慎二

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